以前、ゾーリンゲンのはさみを紹介しました。
Dovoのはさみでした。ありふれたデザインであり、見た目が普通過ぎて侮られてしまいそうですが、切れ味は素晴しいものです。
そして今回ご紹介するこのはさみ、Dovoとは趣きが異なります。なかなか古風なデザインでしょ。手作り感が溢れています。
私は、このはさみから滲み出るような愛情が感じられて、好きです。
TAjiKAブランドでいくつかの種類のはさみが売られていますが、今回ご紹介するのはcopperシリーズ。
刃の部分は焼入れされた鋼、把手部は軟鋼で二種の材料は溶接でしょうか、奇麗に接続されています。表面は銅メッキです。
鋼の上に施された銅メッキが何とも言えない味わいを出しています。
薄い銅メッキの下の鋼の色合いがうっすらと表に現れていて、それが深みを添えているように思います。
銅自体、酸化が進み易い材料ですので、時間が経つにつれて色合いに変化が出てきます。今から経年変化が楽しみです。いずれまたご報告します。
さてその切れ味ですが、Dovoとの違いで言うならば、洋包丁と和包丁の違いということになるかもしれません。それは材料と焼入れと研ぎの違いです。
洋包丁の刃は極端に言うと「のこぎり」の歯のようにギザギザで、対象を引っ掛けて切るということを繰り返して仕事をしています。コックさんが調理の途中で、ヤスリのような棒で包丁の刃をしゃっしゃっと擦っていますが、この作業でのこぎり状のギザギザを付け直して切れ味を復活させている訳です。
一方、和包丁は、ひたすら研ぎ上げて、ピンと張りつめた空気のような刃を作ります。魚の細胞を潰すこと無く、角の立った刺身はこのような和包丁でなければできません。
Dovoで紙を切ると、紙の繊維がかっかっと小気味良く切れていくのが手に伝わってきます。シャリーンと紙が切れ落ちます。
多鹿のはさみでは、繊維が切れるような感触はほとんどなく、スルリと音も無く切れます。
どちらの切れ味が優秀かという比較は意味が無いでしょう。
好みの問題だと思います。
ありがとうございます。
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